こんにちは、山田ハヤオです。今までの開発は全部小学生の時に作ったPCで行っていました。
大学に入っていよいよ性能不足だなと思い、貯金を切り崩してPCを組み直したのでその記録です。
旧メインPCの性能
小学6年生のとき(2016年頃)に組んだメインPCです。
まぁ当時からマザボをアップグレードしたりメモリを増やしたりしてなんとか耐えていました。
CPU | Intel SandyBridge Xeon E3-1275 3.4Ghz |
M/B | Z77M-D3H |
RAM | DDR3-1666 4GBx4=16GB |
HDD | 512GB*2 |
SSD | SATA 1TB |
GPU | NVIDIA GTX 1050Ti |
ケース | Antec Performance One Series P100 |
当然コンパイルは時間かかるし、開発環境は重いしすぐクラッシュするし、Windows 11は当然対象外だし、レジストリハックで動かすとすごく不安定だったりと、色々かなり無理していました。
新PCの構成を考える
今回新調するにあたって、次の点にこだわりました。
- DVDドライブ(5インチベイ)を2つ以上
- フロントパネルにUSB TypeC
- Radeon Vega 56(かなりでかいGPU)が入る
- CPUがめちゃくちゃ強いやつ
- 今まで挑戦したことのない構成にする
今までずっとIntel製CPU+空冷の組み合わせしかやったことがなかったので、今回はAMD製APU+簡易水冷で挑んでみました。
部品構成
ということで、近所のパソコン工房やドスパラの店員さん、地元のパソコン屋の店主と相談して決定したのがこれです。
CPU | AMD Ryzen 9 7900X 4.7Ghz | パソコン工房 | ¥18,424 |
M/B | ASRock X670E Steel Legend | パソコン工房 | ¥56,906 |
RAM | ADATA DDR5-4800 16GB x2=32GB | メルカリ | ¥11,000 |
SSD | SATA 1TB+M.2 2TB | Amazon | ¥14,483 |
GPU | Radeon RX Vega 56 | sapoさん | ¥10,000 |
DVD | LG GH24NS50 | メルカリ | ¥1,000 |
電源 | SilverStone ST1200-PT | PCプラス | ¥18.000 |
クーラー | ROG RYUO III 360 ARGB | ドスパラ | ¥35,365 |
ケース | MasterBox CM694-KG5N-S00 | ソフマップ | ¥18,484 |
モニター | LG 29WP500-B | パソコン工房 | ¥27,480 |
相談に乗ってくれた各店舗で部品を調達させていただきました。
この表に無い一部の延長ケーブルとネジはツクモさんで購入させていただきました。
CPUとマザーをセットで買うと10000万円引きになるキャンペーンをパソコン工房でやっていたので、それを使わせてもらいました。
グリスとかの諸々を合わせて総額¥242,318とかなり高額になってしまいました。
高難易度1: ケース探し
- DVDドライブ
- 360mm簡易水冷
- USB TypeC
という条件を満たしたPCケースを探すのに非常に苦労しました。
ドスパラさんとツクモさんに相談してようやく見つかったのがこのCoolerMasterのCM694でした。
ただし高機能なケースはそれだけ組む難易度が高く、今回のPCではDVDドライブと簡易水冷を両立するための配線でかなり苦戦しました。
高難易度2: 爆熱Ryzen 9 7900X
今回チョイスしたRyzen 9 7900XはTDPが170Wの爆熱CPU(APU?)です。
このCPUは温度が95℃を超えると自動でアンダークロックしてくれますが、せっかくならフルパワーを使いたいものです。
先人の知恵を参考にしながらドスパラの店員さんと相談し、店員さんおすすめのASUS ROG Ryuo IIIをチョイスしました。
空冷では厳しいのは明白で、店員さん曰く「240mmでもフルは厳しいかも。高めの360mm必須」とのことでした。
ケースは極力裏配線にして空気を最大限良くなるように工夫します。
組み立て
今回の組み立ては、大学の友だちに手伝ってもらいました。
予想以上にグラフィックボードが大きくて一部の3.5インチベイが犠牲になってしまいました。
このケースはかなり優秀で、一部の3.5インチベイを外してよりサイズの大きいGPUをつけられるようになっています。
サイズが小さめのマザーボードなら、ケースについているGPUスタビライザーで固定することもできます。
このベイかなり変態で、1つのスロットの裏表にSSDとHDDの両方の設置ができ、更にDVDドライブの裏側にも2.5インチのSSDを設置できます。
なので、ベイを4つ減らしても余裕で余っています。
起動トラブルと解決
最初電源を入れても、BIOSすら起動しませんでした。
このマザーボードにはCPU無しでBIOSをアップデートできる機能があります。
友人のPCを借りてBIOSアップデート用のデータを入れたUSBメモリを作成し、アップデートを行いました。
それでも起動しなく、配線をしっかりと確認するとCPUの補助電源が接続されていませんでした。
接続するとしっかりとBIOSを確認できました。もちろんBIOSは更新されてました。
OS構成
今回はWindows 11とArch Linuxのデュアルブートを選択しました。
既に旧PC上にArch LInuxがあったので、Windows11だけ新規インストールしArch Linuxはクローンします。
この構成を作成するのにもかなり苦戦しました。
苦戦1: EFIパーティション(ESP)が小さい
WindowsとLinuxをEFIでデュアルブートするのは何気に初めてでした。
Legacy BIOSでなら何度もやったことがあるのですが、最新世代にもなってMBRなんて使ってられないということで挑戦しました。
Windowsが壊れる前提でGPartedで強引にEFIパーティションを拡張したところ、なぜか普通にWindowsが起動。
その後もパーティションを強引に弄って、なんとかこの構成にできました。
苦戦2: Linuxが起動しない
旧SSDのArch Linuxのパーティションをddを用いてクローンしました。
今回は/boot/efiにESPのマウントポイントを設定し、最小限のものだけをESPに置くようにしました。
UbuntuのLiveCDからArch Linuxの中にarch-chrootして、grub-installします。
Grubは普通にESPに入れたのですが、何度やってもGrubがカーネルを認識してくれません。
権限やディレクトリ構成、fstabの問題かなと色々模索したのですがやっぱりだめ。
試しにGrubのコマンドラインで手動でカーネルとInitramfsを指定するとあっけなく起動。
先に答えを言うと、これ。
今回はarch-install-scriptsに含まれているgenfstabを用いて/etc/fstabを生成していたのですが、その際にディスクの指定をUUIDを用いて行っていました。(fstab -U)
ddの挙動でUUIDごとクローンしてしまうらしく、Grubが旧SSDを優先して認識していたためにカーネルが見つけられなかったようです。
試しに旧SSDと新SSDの両方のUUIDを手動で変更し、Grubの設定ファイルと/etc/fstabを書き換えてあげるとあっけなく起動しました。
あとから調べてみるとこの挙動正常な仕様なようで、気をつけようねという感じでした。
苦戦3: Grubの謎のエラー
GrubからOSを選択すると、WindowsでもArch Linuxでも、sparse file not allowed. Press any key to continue.
という謎のエラーが表示されました。
これに関して答えはArchWikiに書かれていました。
Grubに含まれているBtrfsのドライバは読み取り専用らしく、/bootがBtrfsになっているとこのエラーが表示されるらしいです。
仕方なく/bootだけをExt4でフォーマットし、その中で/boot/efiでESPをマウントしました。
おまけ: Windowsに対する文句
- インストール時にESPのサイズを指定できるようにしてほしい
- よくわからないパーティションをいくつも作らないでほしい
ベンチマーク
終わり
今回は人生初AMDを組むということでかなり緊張しながらやってました。
簡易水冷もM.2も初めてで、かなりいい経験になったと思います。
開発環境が爆速になったので、これで自分に足りないものが才能と時間だけになりました。
それでは、また今度。
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