どうもこんにちは.ヤンです.
この間 Windows 11 環境に移行しました.たまに動作が不安定になることはありますが,新しい機能も使えて概ね快適です.つい先日 Windows Insider Program の Release Preview チャンネルでも Windows 11 が体験できるようになったので,気になる方はぜひ初めてみましょう!
さて,今回は日本語 IME SKK (Simple Kana to Kanji conversion program) を紹介します.
SKKの概要
SKK は本来 Emacs 上で動く日本語入力システムで,日本語 IME としては異例の形態素解析を行わないユニークなシステムです.つまり,文節の間と間,漢字と送り仮名の間をユーザが手動で指定します.
具体的な例を挙げると,
ここではきものをぬいでください.
ここで␣▼履物␣を␣▼脱*いで␣ください.
‘▼’は漢字変換の開始を,’*’は送り仮名の開始を,’␣’は漢字と仮名の区切れを示しています.
一文を一気に入力したとき,一般的なIMEでは “ここでは着物を脱いでください.” とも解釈可能なので自分が望んだ変換が行われない場合があります.そのような事態はSKKを使えば決して発生しません.
SKKをインストールする
Windows 環境について扱います.
SKK 風の IME CorvusSKK をインストールします.
https://nathancorvussolis.github.io/
上のページから CorvusSKK をダウンロードしてきます.
インストールしてきたら,デフォルトの IME を変更します.
設定を開いて時刻と言語>言語と地域>言語のオプション を選択して
キーボードの追加から CorvusSKK を追加して,Microsoft IME など別の IME を削除します.
CorvusSKK の設定
デフォルトのままだと使いにくい部分があるので,CorvusSKK の設定を変更します.
拡張辞書の追加
拡張辞書を追加すると変換精度が向上したり,特殊な固有名詞が一発で変換できるようになります.
上のページからSKK-JISYO.L,.geo,.propernoun,.station を追加しています.適宜追加しましょう.
ダウンロードしてからファイル追加→取込で辞書の追加ができます.
入力方法
普通にローマ字入力をすると,全てひらがなで入力される.
変換を開始する位置で Shift を押しながら入力する(大文字で入力するイメージ)
送り仮名を開始する位置でもう一度 Shift を押しながら入力する
変換を開始するときは Space キーを押す
ひらがな入力モードでqキーを押すとカタカナ入力モードに切り替わる
また,変換待ちの状態でqキーを押すと全てカタカナになる
より快適に入力する
上の入力方法を読めばおわかりでしょうが,Shift キーを多用します.これでは 小指が腱鞘炎になってしまいます.そこで,日本語入力が有効になっている時だけ Space キーに Shift キーの機能も付け加えることにしましょう.
https://github.com/fiore57/SandSExe
右のリリースから v1.0.0 をダウンロードします.完了したら適当な場所に配置してださい.
管理者権限を必要とするので,タスクスケジューラを使って起動時に実行するようにします.
基本タスクの作成をクリックして適当な名前を付けます.SandSExe などわかりやすい名前がおすすめです.
タスクトリガーは コンピュータの起動時に設定してください.
タスクの操作はプログラムの実行,プログラムの開始はプログラム/スクリプト には SandSExe の実行ファイルを,開始には SandSExe の実行ファイルがあるディレクトリを入力します.
『「完了」をクリックしたときに,このタスクの「プロパティ」ダイアログを開く』 にチェックを入れ 完了します.
プロパティダイアログが開いたら,全般タブの「最上位の特権で実行する」を有効にします.
次に条件タブのチェックを全て外します.
これで起動時に自動で実行されます.
あとがき
筆者が Windows 11 環境を構築した際に SKK を試してみたら快適だった,という話でした.
一般人にウケる代物ではないとは考えますが,慣れればストレスを感じることなく日本語入力ができるのでオススメです.ぜひ SKK を使ってみませんか?
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